転勤族と結婚すれば、数年おきに見知らぬ土地へ引越すのが宿命。大変なことはたくさんありますが、誰もに共通するのが「友達づくり」。
子どものころは、意識しなくても自然に友達なんてできたのに、大人になるとそうもいきません。かといって、自分から動かなければ友達どころか知り合いすらできません。転勤族の妻が新天地で友達をつくるヒントになれば幸いです。
転勤族の妻の共通の悩み「友達づくり」
このブログでは、引越しや転勤にまつわることを書いています。その中で、トップクラスで読まれている記事が「転勤族の妻の孤独」について書いたものです。ブログに来てくれる検索キーワードも、「さみしい」「孤独」「友達がいない」なんて切ないものが多々見受けられます。
参考 夫と子が出かけた昼のさみしさは、転勤族の妻の共通の悩み
そうなんですよね。
本人の性格が外交的か内向的かにかかわらず、転勤族の妻というだけで友達ができにくい。あるあるです。無理もありません。全く知らない土地で知り合いの一人もいない中にいきなり放り出されるのです。
毎日出社する夫は、仕事ではありますが所属する居場所がある。子どもも転校というハンデはこそありますが、確固たる居場所がある。毎日通っていれば、誰かしらとはつながりもできるし、そのうち気の合う人もできるでしょう。
では、妻はどうでしょう。
今まで仕事をしていたとしても、転勤に伴って辞めざるを得ない人が大半です。自分の意志とは無関係に、あっさりと人生のリセットボタンを押されてしまう。それまでがんばって周りと交流し、つながりをつくり、築き上げてきたもの。すべてが一瞬で消えてしまうのです。
転勤すると…
夫 → 職場がある
子 → 学校がある
妻 → 居場所は?
距離が離れたとしても、電話やSNSでつながれるじゃないと言われるかもしれません。大人なんだから、休みの時にでも旅行を兼ねて会いに行くこともできるにはできます。
理屈では分かるのですが、ちがうんです。やっぱり、すぐ会えたり気軽にランチできる友だちも身近にいたら、慣れない土地でもなんとか楽しくやっていける。昔からの友だちや、これまでの転勤生活でできた知り合いがいたとしても、それはそれ。新天地でも、新たな友だちができたらいいなと望むのは自然なことです。
そんなささやかな願いですが、転勤族の妻の友達づくりは実際にその立場におかれてみると大変です。
転勤族の妻が孤立するのは「子なし時代」「子どもの小学校入学後」
私は結婚してから今年で11年です。つまりは、転勤生活10年ということ。その10年間の中で、一番孤独だったのが結婚後から妊娠するまでの期間と、子どもの赤ちゃん時代です。
転勤族の妻がさみしい時期
・結婚後の子なし期間
・子どもの乳幼児期
(ワンオペ育児ならなおさら)
・子どもの手が離れてから
結婚後の子なし期間のさみしさ
結婚後、妻の側の地元にいるうちはそれほど生活に変化もありません。問題は、最初の転勤後。正社員でバリバリ働いていた人ほど、平日の昼間に仕事も何もしていないことに落ち着きません。家事や料理に力を入れてみても、大人2人しかいなければ一日はかかりません。
一通り、家事をこなしてもお昼前。この後何しよう…。取りあえずお昼をとりますが、たまには外でランチもしたいなと考えます。そして気付くのです。
私、この土地でいっしょにランチする友達すらいないじゃない!
今まで生きてきて、そこまで友達がいなかったことなんてありません。社交的でなくても、友だちが多い方でなくても、気の許せる人は何人かいますよね。転勤で自分のホームから離れてしまうと、全く友達がいないのです。ちょっとお茶する相手さえ。
知りたくなかった事実に愕然としながら、この先どうしようと考えあぐねます。ありあまった時間をムダにしたくないと思っても、次にまたいつ転勤があるかと思うと職探しをする気もなれません。また、妊娠したらと思うとうかつに動けなくなるのももどかしいところ。
かくして、ヒマな時間をもてあましつつも、どうにもできないモヤモヤを抱えて過ごすことになります。ならばと気持ちを切り替えて、外に出て習い事やお店開拓しようと動き出すのがこの子なし時期の特徴ですね。
子どもの乳幼児期のさみしさ
子どもが生まれて赤ちゃんのころも、しんどいかもしれません。寝不足に加え自由の利かなさに精神的に参ります。マタニティ期から同じような人と知り合えていればいいのですが、知り合いもいない中で赤ちゃんを抱えてワンオペ育児は辛すぎます。
育児の悩みやグチを言いたくても、親も友達も近くにいなければせいぜい電話やSNS。ママ友が欲しくても、赤ちゃんを抱えての行動は制限が多いもの。約束をしても子どもがぐずったり、体調を崩したりで、なかなか思うようにはいきません。
上手くハマれば、同じ年齢の子どものママ友同士、共通の悩みや思いを抱えているので結束は強くなります。ただし、土地や人との巡り合わせという条件によるので、友だちができなかったとしても大丈夫。個人の問題じゃないことがほとんどです。時間が解決することもある!
参考 転勤族の育児はワンオペになりがち
子どもが小学校に上がってからのさみしさ
子どもが小学校に上がり手がかからなくなってくるころも、子なし期ほどではありませんがちょっとさみしくなります。なぜかというと、子どもが幼稚園のころには常にママがセットで行動するから。公園に遊びにいくのでも、支援センターで遊ばせるにも1人で行かせるわけにはいきません。
子どもの付き添いで周りには、同じような育児中のママさんがあふれています。子育て中で共通の話題も多く、自然と顔見知りができ、そのうちに家を行き来するような友達も出てきます。
幼稚園の送り迎えや園行事でも、母親の出番は多いもの。イヤでもママさんのつながりはできてきます。習い事にしても、子どもがレッスン中は後ろで見守っているママさんの集団。これで友達はともかく、知り合いができない方が難しいです。
かくして、子どもの小さいうちはママ友に不自由することはないでしょう。問題は、小学校に上がってから。幼稚園からそのままその土地の小学校に上がる場合は、まあ大丈夫。幼稚園からのママ友がいるので、そこからじわじわと交友関係を広げていけばその土地での生活は安泰です。
途中で引越しが入れば、アウェイからのスタートです。幼児のころなら、何かにつけて母親の出番があるのでほかのママさんと接点が多くあります。小学校にもなると、ガクンと親の出番は減ってしまいます。子どもが小学生になるとママ友づくりが難しくなります。
子どもの年齢で交友関係は変わる
幼児期 → 幼稚園や習い事、公園で出会える
小学校 → 子どもつながりの出会いが減る
PTAでもやっていれば話は別ですが、参観日などでも知らないママさんといきなり仲良くなるまでにはもっていけません。知り合い同士で話している人ばかりだと、疎外感を覚えることも。
参考 友達づくりと割り切ればPTAも悪くないかも?
登校班や子供会が活発でないところだと、なおさらです。親同士が顔を合わせる機会がないので、仲良くなりようがないのです。子どもがお友達を連れてきたり、待ち合わせて遊ぶときの送迎で、親とあいさつしたり世間話することはあります。あとは、どう広げていくかですね。
転勤族を対象とした、市が開催する交流イベントに参加してみた
市が主催のイベントなら安心感がある
こうしてみると転勤族が孤独なときは、けっこうありますね。子どもが中学、高校と進むとまた状況も変わってくるのでしょうが、そのころには転勤族を卒業する人のほうが多数派です。
私は、結婚後すぐ最初の転勤。子どももいないなか、急に仕事を辞めて時間をもてあましていました。社宅にいたので、そこまでさみしいことはなかったのですが、せっかくなら夫の会社がらみでない転勤族の知り合いが欲しいなと考えていました。
インターネット上の転勤族サークルのようなものは、素性も知れないので何となく敬遠していました。基本的にIT系得意ではないので、当時流行っていたmixiなどもやってはおらず。どうしようかな、と。
そんな中、市の広報で見かけたのが「転勤族向けの交流講座」。かなり昔のことで、記録も残していないのであいまいなところもあります。大まかな内容はこんな感じです。
市主催の転勤族交流イベント
日程:3回ほど
人数:40人ほど
内容:1回目 自己紹介・食事・入浴・交流
2回目 カヌー体験
3回目 もちより食事会
転勤族交流イベント1回目
1日目の内容の中で、「入浴」というのにビックリしませんか。ホントに入浴です。というもの、温泉がそこかしこにある土地だったので、せっかくなら入浴しながら裸の付き合いをしようという企画意図だったらしいです。市の方が転勤族のために、親身になって考えていただいたのでありがたいです。
私は個人的に、ほかの人と同じ鍋をつつくのもお風呂に入るのも平気です。ですが、いきなり初対面の人と裸の付き合いは、ハードル高すぎかも…。今になって思えば、よく参加したなと自分でも思います。
温泉旅館の大広間で、会のあいさつと自己紹介を済ませて、郷土料理をみなでいただきます。そして、その後は随時入浴。自己紹介をしているとはいえ、裸でいきなり会話が弾むわけもなく、妙な緊張感が漂う入浴タイムとなりました。込み合っているので距離も近いですし。
頭を洗うべきか? 化粧は落とさない方がいい? などと、悩みながらの入浴は、いまひとつ楽しみ切れなかったのが本音です。お風呂の後は、自由に歓談をということでした。メイクを落とした人は、「誰だかわかんないでしょ」などといって笑いを取っていました。ハードルはかなり高いですが、壁を一気に取り払うという意味では良かったかもしれません。
転勤族交流イベント2回目
2回目の内容は「カヌー体験」。アクティブですね。その土地では川でカヌーができるのです。誰でも簡単な講習を受けさえすれば、体験ができます。ライフジャケットを着用するので泳げなくても安心です。
3人乗りのカヌーなので、誰と乗るかが重要。その日のほとんどはカヌーに費やすので、ほかの人と話す機会は少なくなるからです。
私は1回目で仲良くなった2人とカヌーに乗り込むことに。みんな初めてということで、思うような方向に進まない。水面を必死にかこうとしても、パドルで自分たちに水をかける始末。キャーキャー言いながら、なんだかんだで楽しめました。もれなく翌日筋肉痛になりましたが。
すべるように水の上を進むカヌーは思いのほか心地よく、後で夫と再訪しました。地域の穴場スポットを教えてもらえたのも良かったですね。
転勤族交流イベント3回目
最終回は食事会です。うろ覚えなのですが、教室というのではなく持ち寄りパーティー的なものです。各自の得意料理を持ち寄って、みんなでおしゃべりしながらいただくという趣旨ですね。
結果的に、これはいらなかった。持ち寄りのほかに、その場でも豚汁っぽいものを調理したのですが、仕切りがどうも…。年かさの女性数名が、指揮権をとり若い人にあれこれ指示し始めるのです。
それはまだいいとして、お姑さんのようにやりかたにダメ出しをする。やり方は各自あると思うのですが、否定から入るのは気分のいいものではないです。その後も姑のようなグループは威張り続け、食事の時も転勤族の妻の心得的なことを説教していました。
聞けば、その方たちはとっくに転勤族を卒業しているとのこと。20年以上もその土地にいるのなら転勤族じゃないし! 転勤族といっても、いろいろなんだなと勉強になりました。自分も10年選手なので、変に先輩風を吹かせないように気をつけないと…。
転勤族向けのイベントは参加する価値はある
なんだかんだ言って、その時の参加者と数人はその後ランチをしたりやりとりしたりする友達になりました。同じ転勤族で、子どもがいない人、まだお子さんが小さい人。お互いに新発見した観光スポットやお店の情報を交換したり。
でも、さみしいからと、何でもかんでも飛びつくのはこわいです。知り合いもいない転勤族は、宗教の勧誘やセールスの絶好の対象です。何人かから、そうした被害に遭いそうになったという話も聞いています。
自己責任ではありますが、まずは主催の身元のはっきりとしたところが安心かなと思います。そんな意味からも、市などの公的なところの主催イベントはおすすめです。
参考 今住んでいる地域の転入者向け講座にも参加しました。
公的なイベントは、まず安心。
子どもが小学校に上がり、手がかからなくなってきた今、またそろそろ外に出ようかなと思っています。取りあえず、今も地域の公的なイベントに参加中です。知り合いができるかどうかは別として、純粋に楽しいです。終了したら記事にします。
ちなみに、ダイエットや運動を兼ねて、友達をつくるためにとスポーツジムへ通う転勤族の妻もいるでしょう。悪くはないですが、最近はちょっと会員層が変わってきているので頭に入れておいた方がいいかもしれません。
参考 スポーツクラブに平日昼間通うなら知っておきたい事