つかめる水がガチャガチャであったので、速攻手に入れてホクホクな科学好き(なだけで詳しくはない)のワタベです。
最近は書店にも実験用のキットが売られていたり、民間の理科教室が人気だったりと科学がぐんと身近になっています。
親であれば、きっかけは何であれ子どもに興味をもってもらい、そこから理科や科学を好きになってもらいたいですよね。きっかけづくりに最適なのが、大学で行われる科学イベント。
去年に引き続きの参加ですが、内容が良さ過ぎて知らない人が気の毒になってくるのでここでご紹介します。だって、無料で実験し放題ですよ? 参加しなきゃ損損!
子供向けの科学・理科イベントは全国の大学で開かれている
知っている人は知っている。知らない人はずうっと知らないまま…。何だってそうですが、こと子ども関連の学びイベントについても顕著な気がします。公的な学びのイベントで見かける顔ぶれって、決まってくるんです。
一つのイベントに参加すると、ほかの関連イベントの情報も入ってきます。そこへ出かけると、また別の催しの案内をもらったりすることも。行けばいくほど、情報が集まってくるんですよね。
参考 子供向けの無料の学びイベントを使い倒そう!
参考 実験教室・理科教室は子どもが喜ぶしかけがいっぱい!
参考 もはやエンターテインメント!無料の実験ショー
前置きはさておき、大学での科学イベントについてです。私の場合は、小学校からもらってきた案内チラシで知りましたが、「国立大学55工学系学部サイト」などでも全国から検索することが出来ます。
ただ、都会ならともかく地方では近場の大学も限られます。ふだんから、最寄の大学の公式サイトなどをブックマークしておいて、定期的にイベント案内をチェックするといいでしょう。
だいたい、夏休み前と秋に開催されることが多いです。
わが家は転勤族で全国の県庁所在地を回っていますが、ほぼどこの主要大学でも科学イベント・理科イベントは開催されていました。まずはサイトを調べてみてください。
地元の大学で行われた「化学まつり」の内容
気軽にふらっと参加OK!
地元の大学の理工系の学部が主催して開催される「化学まつり」。大学の構内で行われるとなると、ちょっと敷居が高い気がして二の足を踏みそうになりますよね。でも大丈夫。
キャンパス内は広々と、猫もくつろいでいるくらい開放的です。ここ長崎は街のいたるところに猫がいるのですが、大学にも住み着いているみたいですね。猫サークルもあるらしい。もちろん、植物園もあり、図書館もあります。市民にも開放されていて、私もちゃっかり散歩させてもらったり資料を閲覧させてもらったりすることも。学生さんの邪魔にならない時間なら、学食で食事をとる人だっています。
子どもにも今のうちから大学の雰囲気を感じ取ってもらうことも、何かしらプラスになるのではないでしょうか。
科学館や民間企業の実験イベントは申し込みが必要なものが多いですが、この大学の化学まつりは事前申し込みが不要です。気が向いたらふらっと散歩がてら行けるので、お天気やほかの用事との兼ね合いも付けやすいですよね。
ただし、途中昼休みの時間があるのと、実験やツアーの一部は申し込み制になっていることにはご注意を。今回は「バスボムをつくる」実験のみが、申し込み制でした。バスボムがお目当てならば、早めに出かけた方がいいです。開始30分くらい前の回の整理券はなくなっていました。
全体的に、去年より人手が多かったです。でんじろう先生なんかの影響でしょうか。
12の実験テーマと1つの散策ツアー
実験会場は1階の実習室と2階のホール、そして植物園です。会場地図と、詳しい実験内容が記載された冊子を受付でいただけるので、それを見ながら参加したいものを検討します。というか、実際は空きがありそうなものからどんどん体験していく感じです。
実験指導員の方々が、やさしく子どもたちに声をかけてくださるので小学生くらいのお子さんなら問題なく実験に参加できます。
実験指導員は教職員と学生の方々でしょうか、一連の準備からはじまって当日、後始末と手間も時間もかかっていると思います。感謝。長崎大学の学生さんって、真面目で優秀なイメージです。自分の学生時代は地域に貢献する活動なんてしていませんでした…。今の学生さんはボランティア活動も当たり前にやっていますし。エライ。
実際に行われていた実験は次のようなものでした。
・色の変わるハンカチを染めてみよう
・暗闇で光るプラスチック
・水性ペンを使って色鮮やかな花を咲かせよう
・色で分かる!生き物の体の中で起こっている呼吸!
・混ぜたら…え!不思議なことが!~自分だけのスライムをつくってみよう~
・シュワシュワ泡の出るバスボムをつくろう!
・プラスチックを加工してみよう!
・にじ色で「化学」をしらべてみよう
・リアクション・フレーバー~においをつくってみよう~
・光のスペクトルを観察しよう
うちの子どもが参加した実験
去年に参加した実験も含めて、感想を一言ずつメモしておきます。実験の説明や内容については、「化学まつり2018実験説明書」(主催:長崎県理科・科学教育懇談会)から一部引用させていただいています。
・色の変わるハンカチを染めてみよう
去年参加しました。
カレーのスパイスで知られるウコンの色素を利用します。
ウコンから取り出した黄色の色素を使って、ハンカチを染めます。その後、身近なもの(掃除や洗たくに使われるセスキ炭酸ナトリウムやクエン酸)でハンカチの色がどのように変わるか調べます。
・暗闇で光るプラスチック
ねんど気分で小さい子も楽しい!
蓄光剤で怪しく光る宝物のできあがり。
光がゆっくりと放出され、光を充てるのをやめても、しばらく発光が続く物質もあります。暗がりでも光が残る現象がこれで、蓄光とも呼ばれています。時計の文字盤や避難口などを示す標識、キーホルダーなどにいろいろなところで使われています。
・水性ペンを使って色鮮やかな花を咲かせよう
水性ペンの色が、どんな色の組み合わせでできているか…。
同じ色でもメーカーによってちがうことも!
物を成分ごとに分ける手法としてクロマトグラフィーというものがあります。今回の実験では紙を使用したペーパークロマトグラフィーという方式によって色を分けています。
水性ペンの色はきれいな色を出すためにいくつかの色素の組みあわせでつくられていて、色素によって紙や水との相性が異なるために色の分離が起こりました。
・混ぜたら…え!不思議なことが!~自分だけのスライムをつくってみよう~
実験で王道のスライム!
自宅でやると材料あまっちゃうんですよね~。
スライムは、合成洗濯のりの主成分であるポリビニルアルコールという高分子同士がほう砂によって手をつなぎ合わせることによって網目構造を作っています。
高分子はひものような分子です。皆さんが食べるごはん(米)の主成分のでんぷんも高分子のひとつです。ほう砂は架橋剤として働きます。
・果物でオルゴールを鳴らしてみよう!
電池の仕組みが分かる、これも定番ですね。
でも、理由を説明するのが難しい…。
私たちにとって最も身近な電気エネルギーの供給源である電池は、どうやって電気を作っているのでしょうか?電気がどうやって生まれ、電池の中身がどうなっているかを知るために、果物電池を作ってみよう。
・プラスチックを加工してみよう!
実験というか、工作でもおなじみ。
原理まで考えたことなかった!
身近なプラスチックには、熱を加えるとやわらかくなるプラスチックと軟らかくならず硬いままのプラスチックがあります。
実験では、身近なプラスチックのうち、ポリプロピレンやポリスチレンなどを利用して、一度熱を加え、軟らかくしたり、小さくしたりしてプラスチックメダルやプレートを作ります。
・リアクション・フレーバー~においをつくってみよう~
身の回りで使われている風味。
こんな風にしてつくられてるんだ!
うちは焼肉フレーバーにしました。
スナック菓子やインスタント食品には、いろいろな風味のものがあります。それらは、本物のその風味を使っているのでしょうか?実際には、多くのものはそのような風味をもった化学調味料を利用しています。その1つが、アミノ酸とグルコースを化学反応させた、リアクション・フレーバーというものです。
・光のスペクトルを観察しよう
蛍光灯や太陽の色を分ける!
持ち帰っていろんな光を観察しました。
蛍光灯や太陽の色は白く見えていますね。でも実はこの色にはいろいろな色が混じっているのです。かんたん分光器を作ってそれを確かめてみましょう。
・植物は「くすり」の宝箱!薬用植物園散策ツアー
ふだん飲んでるハーブティーや漢方薬。
生えてるそのままの植物をさわれた!嗅げた!
薬用植物園内に移動後、「くすり」の素になった化学物質が発見された植物や、漢方薬などの「くすり」として使用されている薬用植物を紹介し、観察します。
植物によっては、匂いを嗅いだりして、実際に植物に含まれている化学物質を鼻を通して匂いとして体感してみましょう。
大人も本気で楽しかったです。言葉としては知っているけれども、実際には見たことのない薬用植物やハーブの植生がお散歩しながら理解できました。観賞用として知られている植物でも毒性があるなど、意外なお話盛りだくさんで全く飽きませんでした。
最後の方には、園内の植物から煎じた葛根湯などの試飲もありました。いつも飲んでる粉薬の味なんですよ! 当たり前なのですが、植物からつくられてることが実感できました。ハーブもレモングラスやミントでフレーバーティーを飲ませてもらいました。…フレッシュでさわやか。話題のカフェなんかである、色変わりするお茶も見せてもらいました。
ふだんから一般公開されているので、親子で散策もいいですね。
最後にアンケートを提出すると、元素の周期表デザインのクリアファイルをいただきました。
ちゃんとニホニウム入ってる!(当たり前)
科学のタネをまこう!イベントや教室はお子さんにあわせて選ぼう
大学や科学館、民間企業で開いている科学イベント・理科イベントはたくさんあります。ただ、現実的には東京に集中しています。地方ならば、県庁所在地ですね。お休みの日や、旅行のついでにこうした勉強になるイベントを組み込むのもアリです。
親ができることとして、出来るだけ子どもの興味関心の幅を広げてあげたいものです。
地方でなかなか参加の機会がないという人は、民間の教室も各種あります。どれも見学や体験教室は無料ですので、一度参加して子どもが興味を見付けそうなものを探してみてはどうでしょう。私も実際の様子を見ましたが、男の子だけでなく女の子も楽しそうに参加していましたよ。
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