転勤が決まっても、子どもの学校のことを考えると引越しは難しい…。
単身赴任もそう簡単には決断できないでしょう。
なにより、子どもの学年や兄弟の数で状況は変わります。
自分自身も何度も転校し、最後は高校まで動いています。
現在進行形で夫も転勤がある転勤族の私が、経験を踏まえてアドバイスします。
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転勤は家族全員にかかわる大問題
私の親は転勤族でした。
親の方針で家族いっしょにいる方がいいと、私が高校を卒業するまで皆がいっしょに引越ししていました。結局は、弟の高校在学中に最初で最後の単身赴任はせざるを得なかったのですが。
実際に転勤の命令を受けて、すぐに決められません。家族や子どもへの影響が大きいからです。一番の悩みどころは、子どもの学校をどうするか。
転校させるにしても、考えることは1つではありません。
・転校の時期
・転校先の教育レベル
・子どもの気持ちの問題
・進学への影響
単身赴任すると決めても、別居手当支給の基準を考えに入れる必要があります。
持ち家があれば、管理をどうするか。
親が高齢であれば介護問題もあります。
もちろん、妻の仕事も大きな問題です。
生活費が二重にかかることや、夫の寂しさ浮気を心配する人もいます。
一定数、家族が離れたことで心の距離もあいて離婚に至るケースもあります。
参考 単身赴任の生活費を節約するにはコツがある!
家族の数だけ答えはあります。ただ一つ共通するのは、夫の独断で決めてはいけないということ。夫婦で意見を出し合うのはもちろんのこと。子どもも話し合いの場に加えてください。たとえ、幼稚園、小学校の子どもでもです。
小さくても、子どもには子どもの立場があります。結果的に意に沿わない転校となったとしても、自分も話し合いの場にいたのならば納得もできます。自分の意志とは関係なく連れまわされるのとでは、転校後の過ごし方が変わってきます。
年々増える単身赴任、10年で6万人以上増加
まわりを見渡せば、単身赴任の人が身近に1人や2人はいますよね。ですが、欧米各国ではなじみが薄い制度です。
厚生労働省の『就労条件総合調査結果』によると、結婚している単身赴任者の数は平成6年から平成16年の間で63000人増加しています。
単身赴任が増えた理由はいくつか挙げられます。
・月数回の帰宅交通費の支給や別居手当が手厚くなったこと
・私立の小中学校に通う子が増えたこと
・介護が増えたこと
このように、社会情勢が変化したことも背景にあります。
それに対して、企業側の意識はあまり変わっていません。
『雇用管理調査』(平成14年)によると、企業側で引越しを伴う転勤を命じる理由は次の通りです。
・多様な仕事の経験でキャリアアップ
・既存部門の拡大・縮小
以前の記事で、転勤を拒否できるかというものについて書きました。
参考 そもそも転勤は拒否できるのか?断るとどうなる?
しかし、企業側ではある程度配慮をしていても、本人からすると十分に意思が反映されているとはいえません。つまり、本人が子どもや妻の事情で転勤したくないと申し出ても、たいていは聞き入れてもらえません。
でも、原則としてはこちらの都合を優先するよ。
転勤の決定権は会社にあるんで。
こんな感じでしょうか。しわ寄せは結局家族にきます。転勤族の妻は、見知らぬ土地で一人孤独を募らせて心を病むこともあります。
参考 転勤族の妻の共通の悩みは「孤独」
単身赴任での一番の理由「子どもの学校をどうするか」
単身赴任を決意する最大の理由は、教育問題。まあ、だいたい想像がつきますよね。
子どもがいないうち、もしくは乳幼児ならば有無を言わさず家族帯同。幼稚園、小学校入学あたりから悩み始めます。受験を控えているのならば、基本は単身赴任というように変わってきます。
難しい話は置いておいて、政府の統計で蛍光マーカー引いた部分を見てください。
家族帯同 … 小学校入学前
単身赴任 … 小学校以降
はっきりと傾向があらわれていますよね。
さらに、この調査の中では、家族帯同の率が上がるのは次の場合とされています
・赴任期間が長い
(独立行政法人労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.174 企業の転勤の実態に関する調査より引用)
転校はどれだけ不利か?
私は地方の育ちで受験戦争とは無縁でした。高校まで転校していても、何とか独学で受験できました。
今の時代、都市部では幼稚園児のうちから受験戦争が始まります。受験で成功するために、小学校から塾通い。けして特別な風景ではありません。今の住んでいる地域でも、土日の塾の前は迎えの車で渋滞しています。公園で遊んでいる小学生の姿をみかけることも、めっきり減りました。個人的には疑問を感じますが、そうは言ってもいられません。
小学生から学習に力を入れなければならない状況での転校。教育レベルの差は無視することはできません。教科書もちがえば、進度も異なります。保護者の意識のちがいも、学校の校風などに影響します。
高校生ともなれば、なおのこと。選択科目がちがうこともありました。進学クラスなどの組分けも同じではありません。そもそも義務育ではありません。どこでも受け入れてくれるわけではないのです。転入できる場合でも、安心できません。異動の時期と編入試験のタイミングがずれていればまず無理です。
苦労して入学試験に合格したのに、無駄にするのはいやだと子どもに言われることもあるでしょう。
難しい年ごろに、大きく環境が変わることで精神面への影響も心配されます。
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幼稚園・小学校・中学校・高校それぞれのデメリット
幼稚園でのデメリット
情操教育メインなので、まだまだ心配することはありません。仲良くなったお友達と別れることが寂しいくらいです。小さな子ほど、新しい環境でお友達もできやすいです。
名門幼稚園に入れた場合は悩むかも知れません。入園料も二重に必要になるのが痛いところ。これは、園によっては還ってくるところもあるのでダメもとで確認を。あとは、お母さんがママ友と別れるさみしさでしょうか。
参考 幼稚園の転園はそれほど難しくない。あせらず探そう
小学校でのデメリット
公立の小学校に通っているならば、転校は難しくありません。小学校の転校については意見が分かれるところです。
慣れた環境から離れさせたくない。そうした思いから、小学生のうちから単身赴任を選ぶ家庭もあります。ただし、小学校で転校しないとなると、その先もありえません。中学、高校とずっと父親不在で過ごすことになるでしょう。
事務的には、義務教育なので転校は全く問題ありません。今通っている学校から、在学証明書と教科書無償需給証明書をもらって、転居先の役場に提出。受け取った就学通知を新しい小学校に提出するだけです。私も2年前やりましたが、言われる通りに書類を揃えるだけで済みました。うちの子どもも、もう小学校は2つ目ですがすんなりとなじんでいます。
ただし、私立小学校の場合は話が変わってきます。小学校から大学までの一貫教育をしている名門校であれば、転校はさせたくないのが親心。家族でよく話し合ってください。
参考 これだけ!小学校の転校手続きのやり方
参考 ランドセルで転校生とわかってしまう!転勤族のランドセル選び
中学校でのデメリット
小学校同様、義務教育なので制度的には転校できます。それでも、高校進学のことを考えると一筋縄ではいきません。
中学校はたった3年間です。すぐに高校受験となります。
転勤で父親に伴い転校するとします。すると受験するのは、まずその土地の高校でしょう。めでたく合格し高校に進むことになったとします。在学中に次の転勤が決まると、新たな悩みが生じます。
高校でのデメリット
高校の転入学できる時期は限られています。編入試験は各学期の始まりの前月に行われます。つまり、この時期を外せば転入できないのです。
万一、転勤先の高校の転入試験で落ちてしまえば、元の学校に子どもは残らざるを得ません。
高校を転校するのは、できない話ではないですが困難です。大学受験は本人の実力次第という人もいます。ですが、実際高校を転校したことがない人が言うことに説得力はないです。私は高校で転校しています。苦労は小学校の比ではありませんでした。
参考 【体験談】高校を転校するとどうなるか
転校には向き不向きがある
教育問題のほかに、子どもの精神面も考慮すべき点です。
すべての環境がガラリと変化する転校。
聞き慣れない方言に、初めてのしきたり。
学習内容も微妙にちがう。
変化はストレスになります。小学校でさえちがいは大きいです。
うちの子が前にいた学校の話です。生徒はもちろん、先生も授業中の説明はお国言葉。それは構わないのですが、連絡ノートにも方言が入りまじり混乱しました。悪いことではないのです。ただ、あちこち移動する身としては、標準語以外が書き言葉にも入ってくると混乱します。
体育の掛け声なども地方で異なります。本人としては当たり前のことをしているつもり。それでも、クラスの子から「なにそれ?」などと不思議がられることもあります。校則の厳しさも、通ってみなければ分かりません。
1つひとつを取り上げれば小さなことです。笑い話にできる子もいれば、胸の奥にしこりとして積み重なっていく子もいます。
繊細でまじめな子はなじむまでに時間がかかるかもしれません。つね日頃から自分の子どものことをよく観察すること。転校したら、新しい環境に適応できているかどうかをしばらくは気にかけてあげてください。
参考 子どもに「転校したくない」と言われたら
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