転勤する必要があるの?意味がない異動はイヤ!
同じ転勤でも、きちんとした理由があれば納得できます。
「彼でなければ務まらない業務がある」
「本人がもともと希望していた」など。
まあ、家族としては人気の都市であれば行ってもいいかなと譲歩してもいいです。札幌や福岡は転勤族に人気ですよね。
ですが、たいていの転勤は意味がないように思えるものばかりです。家族に犠牲を強いるのですから、何らかの理由は欲しいところです。個人が会社に聞くのが一番正確でしょうが、なかなかそういう訳にもいきません。
転勤を断りたいのはやまやまですが、断れるのでしょうか?
参考 転勤は断れる?断るとどうなる?
ズバリ!転勤の理由は何?
厚生労働省の要請で行われた2016年の調査から、そのへんの企業の思惑が見えてきます。
この調査は社員が300人以上の10,000社で、転勤経験のある正社員を対象に行われました。有効回収率が7.3%と低いのがちょっとアレですが、こうしたデータ自体があまりないので参考にさせてもらいます。
・人材育成
・組織の活性化
・欠員の玉突き人事
・経営幹部の育成
全国展開している企業では人事異動をすれば当然、各県の支店や営業所に転勤する必要が出てきます。業種や職種によっても事情は変わってきます。技術職であれば、ジョブローテーションがあります。これも仕事の技術レベルを上げるためなので分かります。
営業職であれば、お客さんとの関係が長くなり過ぎると仕事の幅が狭くなるとされています。確かに、ずっと同じことをこなすよりもさまざまなお客さんを相手にする方が、仕事の幅と質は上がります。
金融なんかでは不正を防ぐ意味でも転勤があるといいますね。飲食業では店舗の展開によって人事異動が出てきます。
そして次の理由は「活性化」。要するに、「毎日の仕事がルーチン作業になっているのはけしからん」ということです。これはちょっと納得がいきません。意に沿わない転勤の理由がこれだったらすんなり受け入れられますか。
慣れ親しんだ本拠地を意図的に異動・転勤させることで刺激を与える意味がある。転勤をさせることで、同じ仕事や職場・顧客に安住することなく、営業成績が上げられるための刺激と考えられる。組織人員が変わることで、組織全体の活性化も期待されている。
(引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構 資料シリーズ No.179『 企業における転勤の実態に関するヒアリング調査』2016年)
…いやいやいやいや。そんな訳分からない理由で家族を振り回すな。すごろくの駒じゃないんだから。
凝り固まった体質や組織に何か活性剤が欲しいという意図は分かりました。ですが、ほかに策はあるように思えます。人一人動かすにしても、どれだけのお金が必要なのか。それに見合う分のメリットはあるのか。企業はもう少し今の時代の空気を読んで人事異動を考えて欲しいものです。
そして「玉つき人事」。ありますよね。しかたのない話ではありますが、これも納得いかない理由です。
最後の「経営幹部の育成」。これは誰もが受け入れられる理由ですよね。
管理職にあがる際には転勤がセットになっていることも多いです。それはなぜか。これまで慣れ親しんだ職場で気心の知れた社員とのなかで管理職になるよりも、まったく知らない場所で管理職になる方が組織を束ねる力が付くからです。この場合、新天地での成果が今後の昇進の判断材料にもされます。
家族も支えがいがあるというものです。