計算問題はスラスラできるのに、文章題ができないのはなぜ?
ドリルの計算問題は、毎日の習慣にしているご家庭が多いですよね。
学習習慣を付けるという意味でも、計算能力を上げるという意味でも有効です。
ただ、学年が上がっていくにつれて、単純な数字だけの計算以外の問題が登場します。
➡計算が苦手なら
グラフや長々とした文章から、問題を解くために必要な要素だけを選び出さなければなりません。
文章題の問題には、関係のない情報がちりばめられ、出されている条件を整理して考えなくては正解にたどり着けないものもあります。
つまり、計算力以上に問題の意図するところや問われている内容を的確に読み取る能力が必要となってくるのです。
文部科学省の方針では、今後知識一辺倒ではなく思考力を重視するようです。
文章題の比重は多くなることはあっても少なくなることはないように思えます。
文章題で求められる力は、4つです。
・イメージ力
・要約力
・語彙力
・実体験
計算問題は数をこなせばできるようになりますが、文章題ではイメージする力が欠かせません。
問題文に書かれている場面を、頭の中でありありと思い浮かべる力です。
さらには、文章から思い起こした具体を、絵や図で表す。
なあんだ、そんなことかと思われるかもしれません。
ですが、絵に描いてみることで複雑に思えた問題も、単純になるのです。
意識してトレーニングしないと、分からないまま。
苦手が積みあがっていくので、早いうちから問題を読み解く練習をしましょう。
2つ目の要約力は、問題を解くためには不必要な情報を排除し、問われている内容を見抜く力です。
ひっかけ問題的に、答えとは関係のない人物が登場したり要らないものの個数が書かれたりしている場合があります。
惑わされずに情報を取捨選択できるかどうか。
普段の丁寧な読書がものを言います。
3つ目の語彙力は、言葉を知っているかどうかです。
文章題を声に出して読ませてみると分かります。
よく登場する道のりの問題でも「往復」「片道」といった言葉があります。
意味を理解していなかったら、正しく式を立てられませんよね。
4年生5年生でも、結構難しい言葉が使われているんです。
「仕入れ値」「何割引」なんて、普段から家庭で教えていないと親しみがありませんよね。
やみくもに、文章だけで机の上で説明しても子どもは聞く耳持ちません。
外で買い物する際など、タイミングを見て話してあげると興味をもってくれました。
最後の実体験は、長さや重さ、価格、分けることなどを肌感覚で理解することです。
文章題に限ったことではありませんが、数字や用語を知識として詰め込むだけでは深い部分で理解はできません。
10mって実際にはどのくらいかな。
10㎏って持ってみると重いかな。
3割引だといくらになるのかな。
生活の中で無理のない範囲で体で感覚を掴んでおくこと。
割り算でも、15個のお菓子を3人で分けると…といった体験を積んでいるとすんなり割り算も腹落ちします。
文章題の問題の状況と似たような体験があるかどうか。
実際にいろいろな体験をしている子どもは、問題文を絵にすることも難しくないでしょう。
わがこととして、考えることができるのです。